区分マンション投資を行う利点とリスクとは?向いている人はこんな人!
区分マンション投資とは、一棟を購入するのではなく、部屋単位で購入して運用する不動産投資の方法です。一棟分に比べれば、購入に関するハードルが低く、近年は区分マンション投資を勧める話題などをよく耳にします。区分マンション投資を行う際は、利点とリスク部分をしっかり把握したうえで行いましょう。
区分マンション投資を行う利点
区分マンション投資を勧めるからには、それなりのメリットがあります。たとえば、一般的なマンションの場合、マンションの管理は管理会社が行うので、設備に関する日々点検や修理などの手間がかかりません。もちろん、マンションを彩る植栽なども同じ、すべて管理会社が引き受けてくれます。
■生命保険の代わりになる
区分マンション投資は、生命保険の代わりにもなります。ローンを組んで購入した場合は、団体信用生命保険に加入します。この団信とは、ローン返済中に債務者が死亡するなど、返済が難しい状況になったときに、ローン全額(残債)が、免除になるものです。つまり、借金がなくなるわけですから、相続した人は、保険金代わりになるのです。
■金利上昇リスクの被害が少ない
不動産を購入する際に、必ずといっていいほど、不安になるのが将来的な金利の上昇です。いきなり一棟のマンションを購入してしまうと、少しの金利アップでも最終的な返済額は大きく変化します。金利上昇分を解消しようと、家賃を上げれば空室になる可能性もありますし、さまざまな面で金利の上昇は影響を与えます。しかし、金利上昇のリスクがあるとしても、マンション一棟に比べればかなりリスクは低くなります。
■立地のよい不動産を購入できる
区分マンション投資の場合は、一棟よりも安く購入することが可能です。とても手が出せないような好立地で高額なマンションでも、一室だけなら購入できる可能性が出てきます。また、好立地であるため、空室を防ぐことも可能です。駅から遠いなどの物件の場合は、どんなに安く購入できても空室になる可能性が否定できません。いくつもの部屋が空室になってしまうくらいなら、いつも入室が見込める好立地物件の一室のほうがいいでしょう。
区分マンション投資を行うリスク
区分マンション投資には、メリットがたくさんありますが、だからといってリスクがないわけではありません。たとえば、一棟購入した場合は、いくつか空室になっても家賃収入が0円にはなりません。しかし、一室のみだと、「家賃収入=0円」になってしまいます。空室を回避しようと値下げすれば、利益が減りますし、利益を上げようとして値上げすれば、空室になるというジレンマも抱えています。
■工事などができない
外壁の塗装などを行う権限は、マンションのオーナーにあります。したがって、一室しか所有していない場合は、外壁塗装などを行う権限はありません。同じマンション内に複数のオーナーがいる場合は、家賃の変更や内装リフォームでも思いどおりにできない可能性があります。
■金融機関の融資が受けられない可能性もある
区分マンション投資は、金融機関の融資を受けられない可能性があるので要注意です。そもそも、区分で購入する場合は、土地を購入していません。土地の価格がない分、担保としての価格も少なくなるので、融資が付かないこともあります。
区分マンション投資はどんな人に向いているのか?
最後に、どのような方に区分マンション投資が向いているのかを解説します。目的や現在の状況によって考えてみると、誰に向いているのかははっきりします。
■不動産投資をしたいと考えているサラリーマン
不動産投資をしたいと考えているサラリーマンには、区分マンション投資がおすすめです。ローンを活用できますし、物件によっては100~200万円くらいのお金を準備しておけば始められます。また、不動産を所有すると、さまざまな管理業務が発生します。忙しいサラリーマンにとって、一棟より一室の方が管理は楽です。
■生命保険の見直しを考えている方
区分マンション投資は、将来的に遺産として残せるので、考え方によっては生命保険の代わりになります。実際、生命保険に関しては、月に数万円単位で支払っているという方も少なくありません。区分マンション投資も、ローンを利用すれば考え方は同じ、逆に投資の持ち出し(自己負担)は毎月の保険料より少ない金額になることもあります。
■老後を今から考えている方
近年、退職金や年金に関する不安の声を多く耳にすることがあります。年金の支給年齢も60歳から65歳となり、さらに老後を不安視する方も増えてきました。区分マンション投資は、こういった老後を考えている方にも向いている投資です。ローン支払期間中は、数万円の持ち出し(自己負担)が必要になるかもしれませんが、完済後は家賃収入が期待できます。
区分マンション投資には、利点とリスクの両方が存在します。もちろん、こういった利点とリスクは投資だけに限った話ではありませんが、投資金額が大きいのでしっかり把握しておくことが大切です。どのような目的で区分マンション投資を始めようと考えているのか?を明確にしたうえで、区分マンション投資を検討してみましょう。