一棟投資とはどのような投資方法を指す?主な特徴を理解しよう!
安定した収入や将来を見据えてといった理由で、不動産投資をする方が徐々に増えています。最大の魅力は家賃収入、所有する不動産を賃貸することで得られる利益です。しかし、不動産投資もいくつかの方法にわかれます。その中の一つが「一棟投資」、今回は、この一棟投資について解説します。
一棟投資とはどのような投資方法を指す?
一棟投資とは、その名の通り、建物一棟に対して投資する方法です。たとえば、アパートを一棟、マンションを一棟購入することになれば、それぞれが一棟投資になります。こういった不動産投資の中には、区分投資という方法もあります。これは一棟の中の一室、あるいは複数の部屋を購入する方法で、建物自体は異なるオーナーによって管理されています。一棟投資は建物自体を購入すること、区分投資は建物内の一部を購入する方法と覚えておきましょう。
また、同じ一棟投資でもアパートとマンションでは、資産価値、耐用年数、建築や維持コスト、家賃などあらゆる面で異なります。一棟投資を行う際は、それぞれの特徴をよく把握したうえで、目的に合った不動産を選ぶようにしましょう。
一棟投資を選ぶメリット
一棟投資を行えば、購入したアパートやマンションの所有者(オーナー)となります。近年、不動産投資の人気が上昇している背景には、次のようなメリットがあるからといえるでしょう。
利回りと収入金額がよい
一棟投資を選ぶ代表的なメリットが、利回りと収入金額です。区分投資に比べると、利回りも収入金額も大きいという特徴があります。たとえば、家賃の場合は一棟ならすべての部屋の家賃収入を得られますが、区分投資は購入した部屋分しか得られません。一棟の中に10室あっても、区分投資なら一室分のみです。
不動産運営を自由に行える
区分投資に比べると、購入した不動産を比較的自由に運営できます。たとえば、区分投資ではできない全体的な改装や植栽も自由に行えます。そもそも、こういった大掛かりな改装などは不動産の所有者に権利があります。一方、区分投資の場合は、権利は一室のみですから、共有部分の改修などは行えません。
区分投資のように収入がなくなる心配が少ない
区分投資の場合は、借主が退居してしまうと家賃収入は0円です。なるべくすぐに新しい入居者を探さないとせっかくの不動産投資も上手く運営できなくなります。しかし、一棟投資の場合は、多少の空室が出ても0円になることはありません。区分投資のような家賃収入0円といったリスクを軽減できます。
一棟投資を選ぶデメリット
一棟投資は、利回りや収入などの多くのメリットがあります。しかし、一棟投資だからこそのデメリットも忘れてはいけません。そもそも一棟投資は、区分投資に比べて投資金額がかなり大きくなります。金額面はもちろんのこと、各デメリットはしっかり把握したうえで一棟投資を検討しましょう。
投資額が大きい
区分投資より投資額が大きいというのは、最大のデメリットです。ある程度の資金力がある方なら問題ないかもしれませんが、1億円を超えることも珍しくはないのでハードルが高い投資になります。また、高額ということもあり、フルローンも困難になるケースが多く、高額な頭金の準備が必要になってくるかもしれません。また、大きな災害に見舞われたときや家賃水準の下落も区分投資より大きな損害を受けます。
維持費がかかる
通常の維持管理費は、区分投資より大幅に多くなります。維持管理費を減らすために自分で管理するという方法もありますが、莫大な手間がかかってしまうでしょう。かといって、管理会社にお願いすれば、管理会社への支払いも発生します。
売却に時間がかかる
購入金額が大きいということは、売却金額もそれなりに大きくなります。しかも、一棟投資の場合は投資金額が大きいことから、買い手がなかなかつかない一面もあります。売却が進まなければ、新たな投資も進みません。
効果的な一棟投資を実現するには?
一棟投資を成功させていくには、総合的な計画を立てることが大切です。たとえば、不動産購入時は、頭金やローン金額ばかり考えず、将来的に発生する改装費や税金の支払いなどを入れた収支計算も重要です。
また、一棟投資は金額面のリスクが大きいので、物価価格や地域経済、そして家賃相場を加味した投資時期の判断も重要になってきます。もちろん、購入する不動産のチェックは怠らないようにしましょう。購入前の入居率なども判断材料の一つになります。不動産投資をする際は、どうしても収入面ばかり考えがちです。
しかし、一棟投資の場合は購入後にかかる費用も大きいということを忘れてはいけません。収入と支出、さらには不測の事態(災害など)も考慮した長期的な運用が必要な投資方法だということを覚えておきましょう。
一棟投資は、区分投資に比べて家賃収入が多いなど、たくさんのメリットがある投資方法です。定年退職後は、家賃収入で生計を立てていく、このようなことも夢ではありません。しかし、同時にデメリットがあるということも忘れないようにしましょう。一棟投資を始める際は、こういった一棟投資の特徴を理解したうえで検討していくことが大切です。